ご存知ですか？背脂チャッチャ系ラーメンは新潟県燕三条で始まった！

燕三条系ラーメンとは、新潟県燕市を中心に作られているラーメンの総称です。特徴として、魚介の濃厚スープに背脂を最後にふりかける、というスタイルがあります。

燕市は洋食器や金属加工などの工業が盛んな地域。力仕事をする工場労働者へラーメン店もたくさん出前をしていく中、味が濃く（塩分を補える）冷めにくいラーメンがほしい、という声から、塩辛さをまろやかにする背脂で表面を覆うと冷めにくいし一石二鳥、ということで背脂を追加するようになった、という説があります。

労働者からのもう1つのリクエストが「伸びにくい麺」だったそうです。不規則だったため、ラーメンが届いてから多少の時間が経っても大丈夫な麺、ということで極太麺になっていきました。

あとからかけるので、背脂の量を多く、少なくという注文も多くのお店で可能です。見た目ほどしつこくないですから慣れてきたら、燕三条系ラーメンが気に入るような方なら脂を多くするのが主流のようです。

では、実際に地元燕市周辺の人気店の情報も少しだけご紹介します。

燕三条系ラーメンの元祖「福来亭（閉店）」から家族が独立して出した、今では燕市の代表的なお店である「杭州飯店」です。ラーメンの知名度は高いとはいえ、地元の方が愛して通う中華料理店です。

燕三条系ラーメンに共通するものですが、背脂がビッシリと浮いてますが、見た目のインパクトと違いあっさりしています。煮干しの旨みが濃い醤油スープにやわらかな太麺がほどよく絡み、薬味のタマネギがいいアクセントになっています。

住所：新潟県燕市燕49-4
アクセス：JR弥彦線「西燕」駅より徒歩10分
営業時間：【平日】11:00〜15:00　17:00〜20:20(L.O.)
　【土日祝】11:00〜20:00(L.O.)　無くなり次第終了
定休日：毎週月曜（祝日の場合は翌日）、火曜（月に1回）

上の「杭州飯店」で修業された方が加茂市でオープンしたのが「成龍」です。オープンして数年ですが、人気の高いお店になっています。

器が金属製なのは、熱を保つという燕三条系ラーメンの目的を達する提供の仕方です。修行元の味を出しつつ、比べた方の感想だと煮干しの風味や醤油のインパクトが少し強くなっていて個性が出ているようです。

住所：新潟県加茂市柳町2-4-20
アクセス：加茂駅から徒歩約14分
営業時間：11:00～15:00　17:00～20:30（無くなり次第終了）
定休日：火曜日

「酒麺亭 潤」は東京にも支店を持つので、知ってる方も多いかもしれません。燕三条系の王道を行くので、手軽に燕三条系ラーメンを体験できるかもしれませんね。

麺は太麺でコシがあり、背脂のほか煮玉子や野菜を無料でトッピングできるのはとてもうれしいサービスですね。また、岩のりの風味が効いています。

住所：新潟県燕市大字小牧464-12
アクセス：燕駅から2,260m
営業時間：【平日】11:00～15:00　17:00～23:00
　　【土日祝】11:00～23:00
定休日：無休

三条市にある「中華亭」も長く地域に愛されるラーメン屋さんです。元祖「福来亭」から出たお店なので「福来亭系」と呼ばれることもあります。

見た目から分かる通り醤油の色が濃いですが、濃口醤油なだけで塩辛いわけではないです。玉ねぎが多めで、その上から背脂をかけるので脂が多く見えますが、これもまた見た目ほど脂っぽいことはなく、大油でもあっさりと食べられます。

住所：新潟県三条市西裏館1-14-21
アクセス：ＪＲ弥彦線「北三条」駅から徒歩で約8分
営業時間：【平日】11:30～14:30　17:00～20:45
　　　【日祝】11:30～14:30　17:00～20:00
定休日：月曜日

発祥の店「福来亭」が閉店・移転して新たに出したのが「龍華亭」です。④の中華亭とは兄弟だそうな。チャーハンも雑誌の特集で一番に取り上げられるくらい美味しいそうです。

こちらも醤油の色が濃い目です。麺は燕三条系の中でも特に極太麺で、噛みしめることでスープと共にじっくり味わえる麺です。

住所：新潟県三条市須頃1-22
アクセス：燕三条駅から徒歩で約7分
営業時間：11:30～14:30　17:30～21:00（麺が無くなり次第終了）
定休日：月曜日（祝日の場合翌日）

燕三条系ラーメンの地元の人気店を探してみると、観光客に向けてPRするというよりも、地元で求められ愛される味がこういう味なのだ、ということが分かります。
気候風土を含めて味わいに行くのはいかがでしょうか？