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冷凍ならではの豆腐の素晴らしさを再発見しよう!豆腐の冷凍活用術

普段何気なく食べていますが、日本の食卓には欠かさない豆腐。以外にも冷凍保存できるのです。しかも、豆腐を冷凍することでできる秘められた素晴らしい栄養価もあるのです。そんな冷凍豆腐の発祥や栄養価、冷凍活用術などをまとめました。

冷凍豆腐の歴史

ルーツその1 高野豆腐

およそ800年前の鎌倉時代での出来事がきっかけだったそうです。
高野山では、精進料理として食べていた豆腐が冬の厳しい寒さで凍ってしまいました。翌朝それを溶かしてみたところ、ちゃんとふやけて食べられそうでした。また、試しに食べてみると食感が面白く美味しかったそうです。
それからは、わざと凍らせて保存し、その後はお湯をかけて凍った豆腐を溶かし、水をしぼって乾燥するようになりました。

ルーツその2  信州の凍み豆腐

昔、寒い晩に豆腐を保存していたら凍ってしまい、あげくは乾燥してしまったそうです。長野県や関東以北では、「凍み豆腐」と呼ばれたとか。

また、室町~安土桃山時代、凍み豆腐を吊しておくうちに自然と乾燥することが発見されて以来、これを保存食・兵糧食として定着したと言われています。
戦国時代の武将、武田信玄もこの凍み豆腐を兵糧として活用したそうです。

冷凍ならではの栄養価

高野豆腐の栄養価

高野豆腐は、木綿豆腐を冷凍させて熟成したものを乾燥させているため、栄養が凝縮されています。
栄養価は
たんぱく質や脂肪、
ビタミンEやビタミンK、
カルシウム、マグネシウム、
鉄、亜鉛、
イソフラボン、サポニン、
食物繊維などが含まれています。

100gあたりのカロリーは529kcal です。

冷凍された豆腐の効能

・ダイエット効果:脂質代謝を促進するサポニン
・老化を予防:ビタミンE
・生活習慣病の予防:コレステロール値を下げるレシチン
・歯や骨を丈夫にする:骨粗鬆症を防ぐイソフラボン
・貧血予防:鉄
・便秘:食物繊維
・更年期障害の症状緩和  など

注目すべきタンパク質!

100g中のたんぱく質の含有量比較

〇高野豆腐:50.2g

・鶏卵:12.3g
・サーロイン(脂身なし):18.4g
・マグロ赤身:28.3g

また、他の大豆製品との比較は
・木綿豆腐6.8g
・納豆16.5g
・豆乳3.6g
・きな粉35.5g

高野豆腐のような冷凍された豆腐は、圧倒的なタンパク質量を誇っていますね!

凍結変性によるタンパク質の恩恵!

また、冷凍されるまでの過程で豆腐中のタンパク質が変化する「凍結変性」が起こります。この冷凍による変化にでできたタンパク質には
・血中のコレステロール抑制作用
・肝臓への蓄積抑制効果
・ダイオキシンの排出効果 など
生活習慣病予防にもなる素晴らしい効能をもたらします。

豆腐の冷凍術!

気になる冷凍豆腐のあれこれ!

冷凍した豆腐は味が染み込みやすくなるというメリットがあります。何か旨味を出す素材と一緒に、煮物料理に使うと良いでしょう!


絹ごし、木綿どちらも冷凍可能ですが、食感に違いがでます。
〈絹ごし豆腐〉
水分の多い絹ごし豆腐を冷凍させると、水が抜けてかなりかさが減ります。
ただし、食感は木綿より柔らかく湯葉に近い感じです。使い方次第で高級食感味わえるかも!

〈木綿豆腐〉
木綿豆腐は冷凍して解凍すると 高野豆腐に近い感じで肉っぽい食感になっておいしいです。煮物はもちろん、炒め物やカレーにもオススメです。

豆腐の冷凍方法
①豆腐を好きな大きさにカット
カットすることで小分けできる利点があります。ちなみに、一丁そのままの豆腐は完全に冷凍できるまで約5時間かかります。

②豆腐を容器に入れる
カットした豆腐を、タッパーなどの容器に入れ替えてから冷凍します。
冷凍庫の他の食材につぶされないような、少し固めの容器に入れると良いでしょう。

※熱の伝導が早い金属製のバットやアルミホイルを敷いた上に乗せると、早く冷凍できます。
※冷凍時に凍った水分が膨張するので、カットサイズと容器の大きさを考えると良いでしょう。

冷凍豆腐の解凍術!

解凍はそのまま調理に使っても、自然解凍、電子レンジ、何でもOKです!

〈自然解凍の場合〉
解凍時には水分がたくさん出てきます。ざるの上などに乗せての自然解凍が良いでしょう。

〈電子レンジの場合〉
一丁そのままの豆腐は、200Wなど解凍モードで2分程解凍しましょう。かなり水分が出るため、あらかじめボウルなどに入れて電子レンジへ。
解凍後は包丁が入る固さになります。その後好きなサイズにカットできますね。

〈そのまま調理へ〉
カットしたお豆腐なら、そのまま調理してもOK◎
ダイスカットした豆腐をゴーヤチャンプルーや麻婆豆腐、お味噌汁に使えば、調理過程で火が通るので解凍する手間が省けます。

冷凍した豆腐の保存期間は?

冷凍したお豆腐の保管期限は、約1か月が目安だと言われています。冷凍保存の場合、長期間保存できるイメージですが、あまり長持ちしないようです。また、長期保存するほど風味も落ちるため、2~3週間で食べきるようにしましょう。
夏場など冷凍庫の開閉頻度が高い時期にも要注意で。

まとめ

高野豆腐や凍み豆腐は、豆腐を冷凍することによって煮物や炒め物で今でも大活躍です。今は、冷凍技術が発達している時代ですが、意外にも昔の暮らしの偶然の産物だったのですね。
また、豆腐を冷凍することでもたらされる栄養価や効能も素晴らしく、保存できる上に私たちの身体に良いことばかり。
冷凍や解凍方法を工夫すれば、普段の料理にも色々アレンジできるかと思います。

上手に活用すれば、料理の幅も広がりますし美味しく健康的に食べられる頼れる食材ですね!

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